「売れない本」の記事
朝日新聞【ハンセン病文学「後世に残して」 図書館購入も伸び悩み】
何だか,すこぶる読後感の悪い記事.記事を書いた記者の安っぽい,絶対的な「正義」を振りかざす独善的な正義派ぶりが透けて見える.
専門書の中には,初版500部からスタートして,それでも在庫が捌けないものもあるやに聞く.その中で10巻モノ・各巻4800円が,各巻ごとに1000冊も捌けたのなら上出来じゃないかとも思うのだが.いったい実売部数をどれくらいで計算して価格をはじき出したんだろう.そもそも販売計画に,見通しの甘さは無かったんだろうか.
ちなみに大学図書館の所蔵を調べることができる(すべてじゃないけど)NACSIS Webcatでは『ハンセン病文学全集』には,12月6日現在で160館の所蔵が付いている.全巻揃いから1巻のみまでバラエティはいろいろだが,業務に携わっているものの実感としては,160という数字はなかなかの好成績だと言えるぞ.
しかし,「よい本」が売れないことがそんなに嘆かわしいのなら,公共図書館に責任を押し付ける,的外れな記事を載せるよりも,新聞の見開き両面を使った広告を無償で打ったほうが効果的だと思うのだけどね(^^;)>>朝日新聞.
(12月7日修正)
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