NACSIS-ILL料金相殺サービスの見直しは急務
何故かは知りませんが,9月5日の記事には未だに読者がいるようでありがたいことです.
先日もNACSIS-ILL料金相殺サービスが大学図書館のILLにもたらした悪影響について書きましたが,正直なところ,たかが1機関が各大学図書館における情報収集の手段を壟断し,その生殺与奪の権利をあたかも全能の神の如く握りつつあるというのは,果たして如何なものかと思います.NACSIS-ILL料金相殺サービスは,これまで各大学図書館とNIIが協力して作り上げてきた文献複写・現物貸借サービスの伝統と文化を破壊してしまったと言っても過言にはならないと,これまで10年ほど大学図書館の相互協力業務に携わってきた人間の一人として受け止めています.
とにかく,相殺サービスに参加していない大学図書館に対する扱いがこれほど酷くなるとは,まったく予想していませんでした.国立大学図書館における複写・現物貸借料金の高騰,料金納入方法における現金書留の復活,私立大学図書館における郵便局の口座の廃止.これらのことは,ほぼすべてがNACSIS-ILL料金相殺サービスの制度としての不備がもたらした醜状です.「現物貸借料一律1300円」をコントロールすることを放棄しておいて,何が「教育研究の推進のための図書館サービスの高度化,事務処理の効率化・合理化」ですか.ふざけるな.
NIIは早急にNACSIS-ILL料金相殺サービスの不備を改善し,業務委託を行っていない大学図書館が参加できるように制度を改めるとともに,一部の大学図書館に見られる身勝手な相互利用業務の実態を把握し,その改善に向けて各大学図書館の業務内容をコントロールすることを求めるものです.こちらの業務を勝手に壟断しておいて,「現物貸借料一律1300円」には口を出さないというのはいささか片務が過ぎるでしょう(^^;).
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