読売新聞にストライキを報道する資格は無い
「ファンの失望計り知れず」これは,今朝の読売新聞の記事の見出しのひとつ.よく言うよ,と開いた口がふさがらぬ.記事の書き出しはこうだ.
「ストは,日本のプロ野球が七十年にわたってファンとの間に紡いできた「夢」を,一瞬で台無しにする危険性をはらんでいる.」
よく出来たブラック・ジョークである(^^;).日本のプロ野球の歴史は,ジャイアンツファン以外の日本のプロ野球ファンの「夢」がことごとく台無しにされ「ジャイアンツは球界の盟主」という愚にもつかぬ神話が紡ぎ出されてきた歴史じゃないか.馬鹿も休み休み言ってくれ.
記事にはこんな文言もある.
「一貫して最高の娯楽であり続けたプロ野球」
ふざけるな.こと野球に限っても,最初の王道は大学野球であり,次に中等学校(高校)野球であり都市対抗野球であり,野球の頂点にプロ野球が立つのは「長嶋茂雄」がジャイアンツに入団した(ホークスをあっさりソデにして)昭和33年以降のことでしかない.いや,大学野球の最後の大輪の花は昭和36年の「早慶6連戦」であり,実際にプロ野球が大学野球を凌駕する人気を獲得するのは昭和40年代のジャイアンツ9連覇以後のことだろう.細かい考証は省くが,プロ野球が「最高の娯楽」にのしあがるには,テレビの力が大いにはたらいたことは想像に難くない.
プロ野球は一貫して「最高の娯楽」であったわけではないのだ.自らの歴史を偽造してまで,その立場を正当化する読売新聞に,今回の選手会によるストライキを報道する資格は無い.
各新聞にいわゆる「識者」の談話が掲載されているが,読売はここでも西本幸雄,張本勲の両氏にストライキ批判をさせている.特に張本の談話は読んでいる方が不愉快になる,ストライキ非難に終始している.張本は同じ紙面に載った赤瀬川隼や,毎日新聞に掲載された玉木正之の談話でも読んで頭を冷やした方がいい.
不快ついでにもうひとつ.日刊スポーツ【小林球団社長、球団経営の撤退早まる可能性も】記事に曰く「同社長は合併が承認されたことには「やっと承認していただけたかと。おかげさまでということです」と笑顔をかみ殺していた.」球団抹殺を決めた席で笑いをかみ殺していたんだよ,バファローズの球団社長は.
道理はどちらにあると思う>>ストライキに反対する諸氏.
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