図書館のエピキュリアン(^^;)
遅ればせながら,MIZUKIさん,Liblog JAPAN,〈図書館雑記&日記兼用〉が取り上げている山中湖情報創造館をチェック.「山中湖情報創造館は、指定管理者制度に基づき、館長を含めた全面的な民間委託の第一号公共図書館」ですか.
でも,業界のタブーに挑戦!などという悲愴感(?)が微塵も感じられないところがいいですね.
それよりも何よりも,山中湖情報創造館のサイトから立ち昇ってくる「仕事が楽しい!」という雰囲気がとても好ましく感じられます.以前,如何にも「音楽することが楽しくて仕方が無い」といった風情のジャン=マルク・ルイサダによるグラナドス〈ゴイェスカス〉(DG)の録音を聴いた時のような爽やかさ.
図問研や日図研に集う方々の多くは「常在戦場」「難行苦行」「克己苦心努力!」ストイックな殉教者の如き図書館稼業がお好みなんでしょうが,如何に丈夫でも伸びきったゴムは,何時かは切れてしまうものです.
たまたま,図問研のサイトでは【堺市立図書館の委託の再考を求める署名】(リンク先はpdfファイル)を募っているようですが,リンク先の文書における相変わらずの民業蔑視には反吐が出ます(^^;).連中の「錦の御旗」である「公務員の守秘義務」も登場しますが,先日大量の処分者を出した社会保険庁の例ひとつとっても,「公務員の守秘義務」が空文化していることは,G.C.W.氏のような「民間」には既に明らかなんですけどねえ.
他の例も挙げましょうか.「読みたい本が堺の図書館になくても、「草の根わけて」探し出し、日本中の図書館から借りて、提供してきました。図書館は世界につながる窓口です。 「連携」するという発想は民間にあるのでしょうか?」これで「民間」の仕事に従事している住民の支持を得ようとするとは,如何にも公務員の公共図書館エリートとそのシンパが考えそうなことです.まさかとは思いますが,「民間」である私立の大学図書館が「連携」を考えていないとでも言うのでしょうか,この文書の起草者たちは.
こーゆう鼻持ちならない「選民思想」が結果的に公共図書館から支持を失わせ,公共図書館そのものを滅ぼしてしまうことをG.C.W.氏は危惧してます.
ついでに言わせてもらうと,この文書が図問研サイトにUPされたのは8月2日らしいのですが,こんな民業差別的な文書UPするより先に,新潟・福井・高知・徳島で集中豪雨の被害に遭った公共図書館の状況を調査・報告・救援するのが先じゃないかと思うのですよ.図問研のあり方としては.相変わらず飯塚市立図書館復旧への募金が図問研サイトにUPされていますが,飯塚市立図書館が被災したのは去年の7月,既に今年の4月には図書館行事も復活しているんです.それなのに,募金の決算報告も図問研のサイトにはUPされてないじゃないですか.
他者の力を借りること,浄財を集めることに対する認識が甘すぎます.
図問研というところは結局,福岡,大阪,と声の大きい奴が勝つところなんですね(^^;).
話があらぬ方向に逸れてしまいました(^^;).
G.C.W.氏は,公共図書館のお客にとってその公共図書館が公務員がやっているのか業務委託なのかは問題じゃない,問題はそこで展開されているサービスの質であり,サービスの質が望めるのであれば公務員が公共図書館を運営する必要はないんじゃないか,と考えてます.そして図書館屋としては,図書館の仕事に明るく楽しく長期にわたって従事出来ればこれに勝る幸せはないだろう,と(^^;).
図書館の仕事をもっと明るく楽しく,享楽的にやりたいんですけど,図書館の仕事って,求道者じゃなきゃ勤まらないんですか>>図問研な方々? 図書館業界では「エピキュリアン」は否定されるべきなのでしょうか(^^;).
山中湖情報創造館の楽しげな雰囲気が,これからも長く続きますように.
・・・・・・・・・ダメだ,上手くまとまらない(-_-;).
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指定管理者制度云々は別にしても、山中湖情報創造館はたしかに楽しそうな感じはしますね。館長の小林是綱氏は、僧侶の傍ら様々な活動をしている人で、今はどうか知りませんが地元のラジオに凖レギュラー番組を持っていたのではないかと記憶しています(違ったらごめんなさい)。
一方で、「ストイックな殉教者の如き図書館稼業がお好み」な方は確かにいるようですね。自らにそれを課すのであればある意味で立派だとも思いますが、他人にもそれを強いるとなると話は違ってくるなと。公務員と民間は役割分担であって、本当は対立するものではないと思うのですが。相変わらず「守秘義務」を声高に叫びますが、公務員じゃなくたってある種の「守秘義務」は存在するわけで、基本は変わりません。未だに「お上」という意識から逃れられないのでしょう。困ったものです。
投稿: への | 2004/08/04 12:38
へのさん>>
コメントどうもですm(_ _)m
「守秘義務」については,例えば「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」という長ーい名前の法律の第24条の4には「派遣元事業主及びその代理人、使用人その他の従業者は、正当な理由がある場合でなければ、その業務上取り扱つたことについて知り得た秘密を他に漏らしてはならない。」とあるわけでして,図問研サイトにあるチラシのような,公務員にのみ「守秘義務」があるかの如き書き方は詐術(^^;)じゃないかと思いますねえ.
むしろ,社会保険庁の如く罰則があっても一向に守られていない「公務員の守秘義務」こそ問題にすべきなんじゃないの>>図問研.
投稿: G.C.W. | 2004/08/04 23:01
こんにちは。
まるやま@(今、話題の!?)山中湖です。
当館長の小林是綱は、ご指摘のとおり、お寺のご住職です。また、NPO法人地域資料デジタル化研究会(以下、デジ研)の理事長もしておりまして、図書館、博物館、デジタルアーカイブ、ITとNPOなどなど、守備範囲はとても広く、しかも一つひとつ確実に実現している人ですので、スタッフ一同、安心して図書館業務を行えるのかもしれません。
「守秘義務」が話題になっておりますが、NPO全面委託第一号の公共図書館としては、山中湖村とデジ研とでかわした協定書の中にも盛り込まれており、違反したら委託の継続はありません。あたりまえですよね、こういうことは。
もし、お時間がありましたら、ぜひ山中湖にお越し下さい。新宿西口ヨドバシカメラの前から高速バスにのって、片道2時間2000円で、富士山の麓の山中湖に着きます。月曜日も朝9時半から夜9時まで開館してますので、ご遠慮なく。
では、では。
**** MARUYAMA Takahiro *********
投稿: maru3@yamanakako | 2004/08/05 16:56
まるやま@山中湖さん>>
はじめましてm(_ _)m
コメントありがとうございます.山中湖情報創造館のサイトを見て,その楽しそうな雰囲気に心をひかれるものがありました(^^;).わたしも勤務先で働く同僚が楽しく働けて,かつ来館するお客も楽しく利用してもらえるような雰囲気づくりということには配慮しているつもりなのですが,なかなか山中湖情報創造館のレベルまでは達しません.いろいろと参考にさせてください.
なお「守秘義務」のことは,別のエントリーでこれから書くつもりです.
わたしは遠距離ドライブが好きなので,遠い目標のひとつに山中湖情報創造館をクリップしておきます.いつかきっと(^^;).
では,今後ともよろしくお願いしますm(_ _)m
投稿: G.C.W. | 2004/08/06 22:15
G.C.Wさん。「山中湖情報創造館サイト」の[交流]のページに、このBlogのリンクを張らせてもらってもよろしいでしょうか? これからも、よろしくお願いいたします。では。
投稿: maru3@yamanakako | 2004/08/08 21:53
まるやま@山中湖さん>>
リンク光栄です(^o^)/.自由に張っていただいてかまいません.
こちらこそ,今後ともよろしくお願いします.
投稿: G.C.W. | 2004/08/09 20:32