青山ブックセンター
一度も入店したことが無い上に,東京在住じゃないので,このニュースのインパクトがどれくらい強烈なものなのだか,いまひとつよくわからないところではありますが,あちこちのサイトで取り上げられているところをみると,これはひとつの文化的な事件なのでしょう.
ある種の危機感を感じているもの,例えば【読書日記: 青山ブックセンター全店閉店】曰く「多様な本(雑誌も単行本も)が流通するからこそ、多様な情報へのアクセスを保証する図書館が機能しうるんだけどなあ。出版(とその流通)に多様性がなくなってしまえば、新しい情報に関しては、図書館は機能しなくなっていくのではなかろうか」という意見,あるいは【moriyama.com 04.07.16】曰く「売れるものをちゃんと売ってないと、癖のある品揃えの店は逆に成立しないってことなんだろうな」ここが実のところ,深刻な問題を抱えているのではないかな,と.
あるいは【はてなダイアリー - 《陸這記》 crawlin’on the ground:青山ブックセンター倒産】と【はてなダイアリー - おまえにハートブレイク☆オーバードライブ 青山ブックセンター倒産】の対照的な見方も参考になるでしょうか.
書店も,書店単体の品揃えは個性的でも,目の前にいる顧客が必要としている情報について,すぐに引き出せる態勢が整っていない書店は,たとえ固定客が付いていたとしても,それが歴史的背景(バブル景気)を伴うものでしかなかった以上,潰れるしかないのでしょう.
とは言うものの,「売れているものをちゃんと売っていかないと」存立基盤が揺らいでしまうのでは,書店でも図書館でもちょっとツライモノがあるんじゃないかなあ,と思う気持ちも一方にはあるわけです.
図書館(館種問わず)について言えば,「図書館」とは単体で存立しているのではなく,目の前にある「図書館」は単なる水道の蛇口であり,その後背に「図書館網」とでも言うべき膨大な知の集積があるんだよ,という発想(G.C.W.氏が学生の頃,業界の新思潮として習った「資源共有=resource sharing」ってこーゆう発想だと思います)があります.蛇口の捻り方を図書館員と顧客が知っていれば,いくらでも水は出て来る,と.
この考え方に従えば,蛇口そのものの形式はどーでもいいわけですよ.300万部売れている本が300冊書架に並んでいようが,500部しか刷ってない本を300タイトル並べていても,どちらが正しいとか誤っているとか,そーゆう話にはならないはず.どの図書館も300万部売れている本を300冊並べなきゃいけない,ということはないわけです.
つまり,あるひとには真っ当な棚面に見え,別の人には奇妙な棚面に見えたとしても,顧客がある情報をその図書館に求めた時,図書館員が棚面の弱点をどれだけカバーして情報をかき集めることが出来るか,がこれからの(館種を問わず)図書館と図書館員に求められているんだろう,とG.C.W.氏は考えざるを得ない現状があるわけですよ.
・・・・・・・・・うーん,うまくまとまらないので,書きかけで放棄.あとで書き直すかもしれません.
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Love Books・青山ブックセンターが閉店…!経由で知ったのだけれど、新文 [続きを読む]
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